匿名を売りにしたコインの中でも、とりわけ勢いのあるVerge(ヴァ―ジ)コイン。
今回はその魅力を掘り下げてみたいと思います。
Verge(ヴァ―ジ)の概要
Verge(ヴァ―ジ)の概要
通貨名/通貨単位 | Verge / XVG |
公開日 | 2014年10月 |
発行数 | 16,500,000,000XVG |
公式サイト | https://vergecurrency.com/langs/ja/ |
購入可能取引所 | Bittrex/Binance/Cryptopia/HitBTC/Litebit.eu/YoBit/CryptoBridge |
Vergeコインの最も大きな特徴は、匿名性の高い複数のネットワークを組み合わせたシステム。アルトコインの中でも、投資家の間で話題に上がることが多くなったVerge(ヴァ―ジ)コイン。
ブロックチェーンのセキュリティ技術と匿名性は高いままに、取引できる量と時間を大幅に向上させたことで「Bitcoin 2.0」とも呼ばれています。
利用者はIPアドレスを公開せずにコインのやり取りを行うことができ、第三者に追跡される事がありません。
Verge(ヴァ―ジ)の目的
Vergeコインの目的は、高い匿名性を維持したままスムーズな取引を可能にすることです。
この目的を達成するために、Vergeコインは下記の二つの特徴を持ちます。
Vergeコインは、高い匿名性を持つ
Bitcoinに代表される多くの仮想通貨のブロックチェーン技術は、公的に匿名性を維持することができないものが多いです。
またこれらのブロックチェーンは、そのアドレスから取引記録を辿ることができるため、サービスへのログイン情報や個人情報と結びついてしまった場合、ウォレット残高や取引履歴を第三者に見られてしまいます。
Vergeコインは、Bitcoin等の仮想通貨が持つこれらの問題を、匿名性の高いネットワークを複数組み合わせることで解決しました。
これにより利用者はIPアドレスを知られずに取引を行うことができます。
取引スピードを挙げる「SPV」技術
Vergeコインのブロックチェーンは、「Simple Payment Verification(SPV)」という技術で5秒以内に取引を完了することができます。
この「SPV」技術は別名「簡易版支払い認証システム」と呼ばれており、ブロックチェーンのブロック内に含まれるトランザクション群の代表値を即座に計算・検証し、最適な値をブロック内に書きこんでおくことで、データ量を節約しようとしています。
このデータ構造は「マークルの木」などと呼ばれており、どれか一つでもトランザクション履歴に不正・改ざんをされたとしても、それに関連する全てのトランザクションルートから正しいデータに修復することが出来ます。
組み込まれているデータはあくまで暗号で、別の場所に詳細な情報を保管しておくことで全体の処理の効率を挙げて、データを利用したい時にだけ参照することが出来ます。
Verge(ヴァ―ジ)のメリット・活用方法
それではVergeコインに期待されるメリットや活用方法を見ていきましょう。
匿名性の高さを生かした資金調達
通常の現金で資金調達を行う場合、なんらかの理由で実名で投資することができない人は大勢います。
Vergeコインのような匿名性の高い仮想通貨には、これらの解決策としての活躍が期待されています。
企業の資金調達だけでなく、匿名の募金などにも利用できそうです。
決済手段としての可能性に期待できる
Vergeコインは、トランザクションを承認する5秒以内と非常にスピーディな仮想通貨です。
多くの仮想通貨のように、新たな決済手段として期待されています。
より非中央集権的な仮想通貨である
Vergeコインは仮想通貨の中でも、「より非中央集権的である」とも言われています。
日本の法定通貨である「円」は、発行権を持つ日本銀行と国によって運用されています。他の国の法定通貨も、運用する専用の機関が設けられた「中央集権的」なものです。
「中央集権的」な通貨は安定性という面で非常に大きなメリットがありますが、予期しない国家規模のトラブルが起きた場合に対応できるのかどうか、疑問が持たれています。
仮想通貨はそんな「中央集権」のリスクを改善できることが期待されていますが、種類が増える中で開発者に利益がでるような「中央集権的」なものや、後に切り替わるケースもあります。
Vergeコインの場合、開発したチームのほとんどがボランティアで参加しているエンジニアで、開発費用も利用者の寄付で賄われています。
運用も含め、メンテナンスなどもこのチームが分散して行っているため、現状も将来的にも「中央集権」的に運用される可能性が非常に低いと言われています。
Verge(ヴァ―ジ)のデメリット・課題
もちろんメリットだけではなく、匿名性が高いからこそのデメリットやリスクもあります。
今後の課題とあわせてまとめてみたいと思います。
犯罪目的で利用される可能性が高い
高い匿名性を売りにした仮想通貨はたくさんありますが、その全てが犯罪者の資金移動に使われるリスクが懸念されています。
特にテロ行為が活発な地域などではこれを理由に仮想通貨の規制は強くなっており、業界全体の課題とも言えます。
計画が不安定
Vergeコインは当初発表されていたロードマップ(計画予定表)から大幅な遅れが出ています。
理由は様々ですが、想定されていた開発費が集まらなかったり、メンテナンスなどの人手不足が原因とされています。
Vergeコインは開発費をユーザーから募り、エンジニアを含めたスタッフが全てボランティアです。
今後もこういったことが起こる可能性は十分にあります。
現状はまだ知名度が低い
他の仮想通貨に比べて投資家の知名度が非常に低いです。
もっともアクティブな市場である日本の仮想通貨取引所は、どこもVergeコインを取り扱っていませんし、バイナンスなど海外取引所の取引量もそこまで多くはありません。
Verge(ヴァ―ジ)の今後
Vergeコインは、昨年だけで約13000倍の高騰を記録した仮想通貨です。
スペックや価格だけを見れば、既に草コインとは呼べない規模になってきていますよね。
セキュリティソフトで有名なマカフィー氏もVergeコインの将来性に期待していると言う発言をしています。
I am inundated by people asking me for recommendations on cryptocurrencies. If you would use your heads you would figure out that the privacy coins (anonymous transactions) will have the greatest future. Coins like Monero (XMR), Verge (XVG), or Zcash (ZEC) cannot lose.
— John McAfee (@officialmcafee) December 13, 2017
個人的には非常に優秀な仮想通貨だと思っていますが、他の仮想通貨よりも優れている部分がややわかりづらいので、本格的な普及には時間がかかるのではないかと思っています。
おそらく投機対象として火が付く方が早いのではないかと思っています。