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仮想通貨の取引を承認する仕組みとしてPoWやPoSといったアルゴリズムが有名ですが、それらと一線を画すのがRipple Networkの承認に採用されているPoCです。なぜ、Ripple Networkは、PoCによる承認アルゴリズムを採用しているのか?
その理由に迫ってみたいと思います。
PoCは中央集権型システム?
「PoW?」「PoS?」って何って思ったら下記をチェック
PoC承認アルゴリズムを採用するRipple。
PoWやPoSを採用している通貨はその特徴から非中央集権型の取引承認方法となっています。
仮想通貨の大部分は非中央集権型の承認アルゴリズムを採用していますがPoCは中央集権型の承認アルゴリズムです。これを採用しているのはRippleです。
Rippleの取引台帳はブロックチェーンと同様の技術を用いた分散型台帳となっており”XRP Ledger”と呼ばれています。
PoCを採用したXRP Ledgerにおける取引承認はPoWやPoSと異なり誰でも参加できるわけではない為、中央集権型の承認アルゴリズムと考えております。
PoC(Proof of Consensus)とは?
PoCにおける取引承認の決定権は指定された機関または人が持っています。
PoCを採用しているRippleでは指定した機関または人のことをValidator(承認者)と呼び、Validatorだけが取引を記録するためのノードを立てることができます。
Validatorの80%以上が取引を承認することで取引が成立し台帳に記録されます。
Validatorによる承認が取引の可否を決定するためProof of Consensus(合意の証明)と言われているわけです。
PoCのメリット
Pocのメリットは、取引について合意するだけなので、承認速度が非常に早い事です。
PoCでは取引に対して、PoW等のように計算作業をする必要がなく、Validatorが承認するだけで成立するため非常に取引スピードが速いです。
この承認プロセスはRippleによると5~10秒に1回のペースで行われるとのことです、そのためPoW等に比べると爆速とも言える速さで取引が完了します。
また、PoCではValidatorがひたすら取引の承認を進めるだけなのでPoWのようにマイニングが不要である事も魅力です。
将来的なPoCは非中央集権的なシステム寄りになる
将来は誰でもValidatorになれるかも?
「PoCは中央集権的なシステムである」と冒頭で書きました。
これは、現在までValidatorの選定をRippleが全て担っているためです。
しかし、Rippleは将来的にさらにValidatorを増やしRipple Networkを拡散させたうえでValidatorが認めたRipple以外の第三者がValidatorを指定できる仕組みにしたいということを発表しています。
Rippleが既に指定したValidatorはUNL(Unique Node List)と呼ばれるリストで管理されていてValidator同士でお互いを承認し合うことでRippleの承認ネットワークは形成されています。
誰でも取引承認できる環境が整えば「非中央集権的」なシステムに進化する。
Rippleの計画通りに進むとRippleがネットワークからいなくなってもシステムはさらに分散化が進むので究極的には非中央集権的なシステムに近い形になると予想されています。
分散化が進むとRipple Networkの信頼性が向上する
現在Rippleに指定されているValidatorは各国の金融機関や世界的な信頼度の高い企業が選ばれており、日本のSBIもそのうちの1つに含まれています。
今後、Rippleの計画通り第三者がValidatorを決めるようになっても既にUNLに登録されたValidator達が承認したValigatorしかネットワークには参加できないので信頼度の高いRipple Networkが形成されると予想されています。
信頼度の高いネットワークが形成されるというのはつまり分散化が進み特定の機関やその関係機関によるネットワーク独占が減るということです。
PoCという中央集権型かつ取引承認の早いシステムを採用し国際送金のブリッジ通貨としての地位を目指しているのがRippleです。
今後ネットワークの信頼度向上についても計画を進められていくと思うので注目しておいて間違いはない通貨の1つだと思います。