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スケーラビリティ問題とは-仮想通貨で使われる用語

この記事は、グランデさんから寄稿頂きました。

さて、皆さんは「スケーラビリティ問題」という言葉をご存知でしたでしょうか?

仮想通貨を始めたばかりで言葉は聞いたことあるけど、意味はよく知らないという方も多いかと思います。
そこで、今回は「スケーラビリティ問題」について調査してきましたので是非ご覧ください!

①スケーラビリティ問題とは

そもそもスケーラビリティ(scalability)とは利用者や仕事の増大に柔軟に適応できる能力を指しますが、
近年の仮想通貨市場の急激な拡大に伴い、特にビットコインなど人気の仮想通貨の取引の処理能力が追い付かず遅延してしまう問題のことを
「スケーラビリティ問題」といっています。

②スケーラビリティ問題はなぜ起こるのか

では、なぜこのような現象が起きるのでしょうか?

それは仮想通貨のブロックチェーンの「ブロック」の構造にあります。
例えばビットコインを例に説明すると、
ご存知の通り、ビットコインは10分おきに1ブロックごとの取引記録をつなげていく「ブロックチェーン」という技術を利用し
取引が行われていますが、この1ブロックに書き込める容量が1MBに制限されています。
そのため、近年のビットコインの人気などに伴い取引が集中し1MBに達してしまうと、10分後の次のブロック、また1MBに達すると
そのまた10分後の次のブロックへと取引の処理が後回しにされます。これがずっと連鎖してしまうため取引の遅延が生じてしまうという理屈です。

③スケーラビリティ問題の解決策

このような取引の遅延が生じてしまうことは仮想通貨の最大の特徴のひとつである「送金が早い、手数料が安い」という魅力が半減してしまいます。
では、なんらかの解決策はないのでしょうか?

そこで考え出されたのが以下のような解決策です。

・Segwit(セグウィット)

Segwit(セグウィット)とは、1ブロックに取引情報を縮小することにより、ひとつのブロックに今までより多くの情報を書き込めるようにするアップデートのことです。
縮小により実質、1ブロックあたりの取引量が増えるのですから相対的に取引速度も速くなるのは理解できると思います。
このSegwit(セグウィット)は2017年8月にビットコインにおいては既に組み込まれたアップデートですが、往々にしてこういったアップデートの際には対抗する勢力が現れます。
ビットコインキャッシュが誕生したのはまさにそれが理由であり、取引情報を縮小するのではなく、1ブロックの容量自体を1MBから大きくするように主張する勢力が現れた結果分裂した
仮想通貨です。そのため、ビットコインキャッシュの1ブロックは8MBとビットコインの8倍になっています。

また、Segwit(セグウィット)のようにブロックチェーンのルールにのっとり互換性を保ったまま新たに仕様を追加、変更することを「ソフトフォーク」と呼ぶことに対し、
ビットコインキャッシュの「ブロック」のように既存のブロックチェーンとの互換性を確保せず、新たに仕様を変更することを「ハードフォーク」と呼んでいます。

・ライトニングネットワーク

ライトニングネットワークとは簡潔にいうと仮想通貨の本体であるブロックチェーンとは別のネットワーク上の「サブブロック」で取引を行うネットワークのことです。
なぜ、別のネットワーク上で取引を行うのかといえば仮想通貨本体の1ブロック内の取引量の「負荷を軽くするため」そして取引により発生する「マイナーへ払う手数料を安くするため」です。
本来、仮想通貨本体で行うブロックチェーン内の取引を一旦、ライトニングネットワーク上のサブブロックに持ち込み、そのネットワーク上でさまざまな取引を行います。
そして取引の結果だけ、再び本体ブロックチェーン内に戻します。そうすることでブロックチェーン内の1ブロックの取引量が軽減され結果的に送金の速さや手数料の安さにつながります。
しかし、このライトニングネットワーク、現在さまざまな角度から実験が行われているようですが実用化までにもうしばらく時間がかかりそうです。
2018年中という声をよく聞きますが来年あたりに延びる可能性もあるかと思います。

④まとめ

さてビットコインの「スケーラビリティ問題」いかがでしたでしょうか?

仮想通貨の最大のメリットのひとつである送金の速さ、そして手数料の安さが脅かされるこの問題、単に技術的な問題ばかりではなく
それに携わるさまざまな人の利害関係が見え隠れし、なかなか興味深いものがありました。

利用する側の意見としては速く、安く、ミニマムに取引できるに越したことはないわけで仮想通貨自体の需要とこれらの要素を踏まえて
今後の仮想通貨の「価値」も決まってくるのかなという気がしました。

また、さまざまな課題が毎日のように次から次へと出てくる仮想通貨業界ですが、それに対応し改善を試みる業界もすばらしなという思いとともに
仮想通貨自体が日々進化している「生き物」なんだなと改めて感じる今回の調査でした。