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全国自治体初ICO実施、独自の仮想通貨を発行でなにが変わる?

この記事は、f4hwap8hiwhaouawからの投稿です。

仮想通貨に対するネガティブなイメージはまだ強いと言えますが、にも関わらず、岡山県西粟倉村はICOで資金調達しようと企画しています。これが成功すれば、仮想通貨やICOに対するネガティブなイメージが払拭されることに期待が持てるでしょう。ここでは、なぜ西粟倉村がICOを企画するのかを解説していきます。

岡山県西粟倉村の概要

公式サイト:http://www.vill.nishiawakura.okayama.jp/
人口:1431人(2016年10月1日時点)
産業:主に林業

岡山県の最北東端に位置し、兵庫県と鳥取県と隣接する村です。村の面積のうち約95%が森林で、農林水産省によって「中山間地域(ちゅうさんかんちいき)」に設定されている村のひとつでもあります。観光地としても知られており、自然豊かに満喫して観光を楽しみたいという人にはおすすめです。

移住先としては最適な場所でもあるか

西粟倉村のデメリットは、自家用車がないと不便だというところです。買い物に行くだけならバスや鉄道を利用すれば問題ないと言えるのですが、でかけたいと思っても自家用車がなければ動くことはできません。

一方、メリットは自然豊かに囲まれた生活が期待できるというところと、光回線やWiMAXなど通信インフラが整っているというところです。西粟倉村は過疎地でもあるのですが、「あわくら光ネット」という光回線を利用したインターネットサービスが利用できるなど、通信インフラが整っています。

インターネット環境が整備されて、自然豊かに囲まれ、静かな暮らしを望んでいる人には、移住先としては最適と言えるでしょう。

岡山県西粟倉村がなぜ独自の仮想通貨を発行するのか

西粟倉村はICOを企画して、独自の仮想通貨を発行して資金調達を計画しています。どのようにしてICOを行うのかというと、西粟倉村トークンエコノミー協会を設立し、ICOトークンである「Nishi Awakura Coin」を発行して資金調達するというものです。

なぜ西粟倉村トークンエコノミー協会を設立するのかというと、西粟倉村が直接仮想通貨の発行に関われば、公債のシステムやスピード的な問題に引っかかるためとのことです。とはいえ、実質的に西粟倉村が関わっていることに変わりはないと言えるでしょう。

現在、そのトークンについて公開されている情報をまとめてみますと、このようになります。

正式名称:Nishi Awakura Coin
通貨単位:NAC(ナック)
公式サイト:https://nishiawakura.org/

発行上限やホワイトペーパーなどに関する情報はまだありませんが、時間が経過すれば、発行上限やホワイトペーパーなどが掲載されるでしょう。しかし、なぜトークンを発行するのか気になるところです。そこで、考えられる理由をいくつか挙げて、解説していきます。

ICOを企画する団体や組織などについて

西粟倉村が独自に仮想通貨を発行する理由を説明する前に、ICOについて説明いたします。ICOは「Initial Coin Offering(イニシャル・コイン・オファリング)」と言い、独自のトークンを発行して、発行したトークンを投資家または仮想通貨ユーザーに購入してもらい、資金を調達するというものです。資金調達だけでなく、通貨としての需要を高めて、価値を高くすることも目的としています。

ちなみにトークンとは、現在存在するブロックチェーンを利用して発行するというものです。西粟倉村が発行するトークンはどのようなタイプについてはわかりませんが、イーサリアムでNACトークンを購入するという仕組みを構築する予定とのことなので、イーサリアムのブロックチェーンが使われているのではないかと思われます。

西粟倉村が発行するトークンは誰に買ってもらうのかについての情報はありませんが、恐らくは日本人が中心となり、世界各国の仮想通貨ユーザーでも購入ができるようになると考えられるでしょう。ICOの多くが国籍に問わず、仮想通貨ユーザーであれば誰でも購入できるのが根拠です。

ICOは株式上場と違って、資金調達のハードルが低いのが特徴で、資金力が乏しいベンチャー企業や中小零細企業でもICOを利用することはできますが、行政が関わってICOを企画したというケース(ベネズエラのペトロなど)はあります。

資金調達は基本的に株式上場が基本となっていますが、時代が変わり、ICOやクラウドファンディングなど、色々な方法で資金を調達することができるようになったということです。

林業発展のため

西粟倉村は森林資源が豊富にも関わらず、過疎化が進み、若者が次々と流出しています。林業の担い手がいなくなると、林業がなくなるというわけです。その状況を打開しようと、西粟倉村は「百年の森林(もり)構想」という林業の6次産業の事業を計画しているとのことです
この事業は木の伐採から加工を行い、流通させるというものですが、その事業を行うためには資金が必要であります。事業を行うための資金を調達する方法として、西粟倉村はICOを思いついたということでしょう。

西粟倉村の場合だと、日本仮想通貨事業者協会や金融庁に相談し、ルールに則ってICOを企画しています。加えて、一般財団法人の日本地方創生ICO支援機構(略称:JARICOS)からのサポートも受けているとのことなので、高い安全性と信頼性が期待できるでしょう。

NACトークンでの買い物

西粟倉村が発行するトークンの真価は仮想通貨取引所の上場で決まると考えられます。西粟倉村は発行したNACトークンをユーザー達に購入してもらい、購入したNACトークンで、西粟倉村の商店などで買い物してもらうという計画も含まれているとのことです。

NACトークンが取引所に上場すれば、その取引所でNACトークンが購入できると同時に需要が高まり、供給を上回った分、価値が高まります。NACトークンが発行してから取引所上場までどれくらいかかるかは不明ですが、取引所上場の時期を明確に知るためには、常にNACトークンに関する情報収集が欠かせないということです。

西粟倉村がICOを成功できるか

西粟倉村が企画するICOが成功を収めれば、仮想通貨に対するネガティブなイメージを世間から払拭することができて、今後はICOを企画する自治体が増えると予想されるでしょう。仮想通貨のネガティブなイメージを払拭できるかどうかは、西粟倉村のICOにかかっているといっても過言ではないということです。