- 英エリプティック社が、過去1年のNFT盗難被害額が1億ドル(約136億円)相当と発表。
- 調査によればソーシャルメディア経由のセキュリティ侵害が急増しているという。
- NFTプラットフォームにおけるマネーロンダリングの金額は800万ドルという。
英エリプティック社レポート、「NFT盗難被害実際はもっと被害大きい」
ブロックチェーン調査会社の英エリプティック(Elliptic)が8月24日に発表したところによると、先月7月までの1年間で1億ドル(約136億円)以上におよぶNFTが盗まれたという。急成長しているデジタル資産が、クリプト(ブロックチェーンや暗号資産の総称)のハッキング問題における新たな最前線となったためだ。
莫大な金銭とユーザーが流れ込んだことにより、急成長を遂げたNFT市場。
仮想通貨価格の下落とともに、その勢いも少し落ち着いてきた印象もあるが、それでも依然として注目されている成長産業という見方は変わらないだろう。当然、その盗難被害も大規模なものと言える。
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同社によると、ソーシャルメディア経由のセキュリティ侵害が急増しており、2022年のNFT盗難の23%を占めたという。窃盗犯は1回の犯行で平均30万ドルを得ているとのことだ。
また全ての犯罪が公表されているわけではないことから、NFTの盗難の本当の規模はもっと大きい可能性があるとエリプティックは付け加えている。
ハッキングや詐欺の対象として、仮想通貨・NFT市場は格好の的なっている。ほかにも重要なデータなどの身代金として、仮想通貨が要求されるケースもあり、明るみになっていない問題も多い。
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エリプティックは、NFTプラットフォームにおけるマネーロンダリングの金額を800万ドルと報告している。しかし、NFT市場の資金価値のうち3億2900万ドルは、資金の出所を隠すためのいわゆる暗号資産ミキシングサービスからもたらされたとエリプティックは主張している。
先日当局からの制裁を受けたトルネードキャッシュが、NFT詐欺の半分強もの収益の洗浄に使われていたとエリプティックは語っている。
また、北朝鮮のハッカー集団とされるラザルスの事件に代表されるように、それら制裁を受けている国・団体が提供するNFTサービスからの脅威も大きくなっていると警告した。
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<参考元>あたらしい経済