- 米財務省はハマスの仮想通貨による資金調達は、ごく一部に過ぎないとの見方を示した。
- 報道ではハマスやイスラム聖戦が、仮想通貨で数千万ドルを受け取ったとされていた。
- 財務省テロ・金融情報担当の次官は、テロリストは伝統的な製品・サービスの利用を好むとも。
仮想通貨での資金調達をテロリストは好まない?財務省が報道に見解示す
米財務省の高官は、パレスチナの過激派組織ハマスやパレスチナ・イスラム聖戦(PIJ)による資金調達において、仮想通貨が占める割合はごくわずかであり、これらの組織が仮想通貨で数千万ドルを受け取ったとする以前の報道は不正確だと指摘した。
2023年10月、『ウォールストリートジャーナルは、2021年8月から2023年6月の間にPIJが9300万ドル、ハマスが約4100万ドルの仮想通貨を受け取ったとする記事を掲載していた』という。
なお、その後ブロックチェーン分析会社であるエリプティックが報道を非難。そうした証拠はないとのコメントを出すと、ウォールストリートジャーナルは、イスラム聖戦の数字を1200万ドルに修正していた。
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財務省テロ・金融情報担当のブライアン・ネルソン次官は2月14日、下院金融サービス委員会で証言し、「ウォール・ストリート・ジャーナルの記事で指摘された数字はウォレットについて言及していたが、必ずしもウォレットのカスタマー間で分散された金額ではない」と述べた。
トム・エマー下院議員が、報じられた金額が「PIJとハマスに具体的に流れた金額なのか、人々がウォレットに持っていた金額なのか」と質問すると、ネルソン氏は「それが最も可能性が高い」と答えた。「また、テロリストは依然として伝統的な製品やサービスを使うことを好むと我々は評価している」とも語った。
ネルソン次官の考察は非常に重要な視点だろう。テクノロジーが進化する中で、テロ組織が新しい方法を採用する可能性があるにもかかわらず、彼らが依然として伝統的な手段を好むという指摘は、今後のテロ対策を考える上で忘れてはならない視点だ。
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エリザベス・ウォーレン上院議員をはじめとする100人以上の米国議員は、WSJの報道を引用して、国家安全保障の名の下に仮想通貨の不正利用を制限する立法の支持を集めていた。仮想通貨業界はこれに反発し、効果は小さく業界を海外に追いやるだけだと主張している。
仮想通貨に限らないが、どんなもの事にも正と負の側面がある。
規制はそのどちらかに肩入れし過ぎることなく、その中道をいくものである必要があるだろう。
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<参考元>cointelegraph