- 中東でWeb3分野の競争が激化、サウジアラビアはドバイに対抗心を燃やしている。
- Web3アクセラレータープログラムを立ち上げたほか、官民ともに複数の計画が進行。
- サウジアラビアにおけるバイナンスの幹部は、同国の指導者や市民の意欲に可能性を感じている。
バイナンス幹部「サウジアラビアは世界で最も重要な場所のひとつ」
暗号資産(仮想通貨)やイノベーションに対する好意的な姿勢と税制優遇措置のおかげで、UAEは暗号資産やブロックチェーンのプロジェクトやファンドに人気のスポットとなっている。そして今、そのライバルであるサウジアラビアが、独自のWeb3ハブであることを証明しようと野心的だ。
アラブ首長国連邦(UAE)は経済特区であるアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)を創設し、Web3スタートアップを支援するべく20億ドル規模のイニシアチブも立ち上げた。
中東の周辺国に先んじて動き出しているが、サウジアラビアもこれに負けてはいない。
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サウジアラビアの950億ドル規模の公共投資基金(PIF)は、Web3スタートアップを支援する大手VCのAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)と提携交渉を行ったと報じられている。
アジアの大手Web3ゲームVCであるAnimoca Brands(アニモカブランズ)は、首都リヤドのKing Abdulaziz City for Science and Technology(KACST)と提携し、サウジアラビアのゲームエコシステムを前進させている。
政府系ファンドであるPIFは、同国の王族が絶対的な権限を持っている。
Web3以外にも最近ではヨーロッパのサッカークラブを買収したり、有名選手を自国クラブへ引き込んだりしていることでも話題となっている。その金額は巨額であり、今後Web3にも影響力を強めていくと目されている。
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サウジアラビアには、Web3投資を呼び込むうえで有利な点と不利な点がある。サウジアラビアは、世界銀行の「Ease of Doing Business(ビジネスがしやすい国)」指数で62位にランクされており、「ビジネスを立ち上げる」(全体38位)、「電気を確保する」(18位)といった項目で高評価を受けている。一方、「信用を得る」(80位)や「国境を越えた取引」(86位)については、あまり芳しくない。
前述のように権力が強すぎる王族、女性の権利問題、アルコールに関する規制など、自由が制限されている点は懸念事項と言えるだろう。
ただ、サウジアラビアでの取り組みを主導するバイナンス幹部は、指導者の意欲やスピード感、地元住民の能力の高さなど、優れた素質を持つとして期待しているという。
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<参考元>coindeskjapan