2月16日から始まる確定申告のシーズンがやってきますね。
2017年は仮想通貨元年とも呼ばれ、今まで投資に興味のなかった多くの人が仮想通貨を購入しました。
2017年9月、国税庁の発表では、仮想通貨の利益は雑所得に区分され、最大で45%の所得税が課せられることになりました。
最近はCoincheck事件が世間をにぎわせ、確定申告にどんな影響がでるのか心配な方も多いと思います。
国税庁によるガイドライン
昨年の12月、国税庁は仮想通貨の確定申告に関するガイドラインを発表し、仮想通貨取引によって生じた利益を課税対象にするとの見解を示しました。
仮想通貨を売却した時の価格と、取得時の価格差が所得として計上され、それらに基づいて税額が決定する事になります。
所得金額=売却価額ー1BTCあたりの取得価額×売却したBTC
Coincheck事件で確定申告に不安が残る
先月26日に発生したCoincheckのXEM大量流出事件。これによってCoincheckから資金を引き出したり、送金することに制限がかけられてしまいました。
2月3日に日本円の出金は再開準備を発表しているものの、日程についてはアナウンスされておらず、送金は今なお再開の見通しがたっていない状態です。
仮想通貨は、日本円に戻した段階(利益確定)で税の対象となります。
出金再開が確定申告のスケジュールに間に合わなければ、ほとんどの人がCoincheckに預けてある資金を納税に使うことが出来ません。
さらにその資金が盗まれてしまったXEMであった場合、そもそも返金がいつされるのかもわからない状況です。
昨年は「億り人」と呼ばれる数千万円~数億円単位で利益を上げている人も多く、最大で利益の45%にも及ぶ税金をどうやって支払おうか、不安の声が出ています。
coincheckに多額の資産入れてる人、確定申告どうするんだろう。
このまま倒産したら一円も納税できなくなって借金するじゃんw
やっべぇよ…— (灬╹ω╹灬)猫アアアア (@kasoutsuutarou) January 26, 2018
ちなみに以前 #coincheck に50万円以上の高額資金を預けてた人の割合をみるため投票してもらったんだけど、2500人のうち、10%もの人が2,000万円以上預けてた
確定申告で『払えない』というのはガチだと思う https://t.co/6muabkZEKA— $lqfc (@liquidfunc) February 5, 2018
仮想通貨の確定申告にはその他にも課題がある
前述したCoincheck事件を抜きにしても、そもそも仮想通貨の確定申告には、まだ多くの課題が残されています。
例えば購入時のレートが公式に残されていないこと。レートは取引所ごとに異なり、取引当時のレートを個人で管理しておく必要があります(取引所によっては、購入時のレートをマイページに記録してある場所もあります)。
最近は仮想通貨の確定申告サービスである、クラウド会計ソフト「freee」が登場していますが、freeeの広報担当である原晃則さんは下記のように述べています
「freee」は過去のレート情報を提供している外部サービスを使って損益を計算している。しかし、この数値もあくまで参考値で、税務署が申告を受理するかどうかは私たちにもわからない
「freee」は国税庁の見解が発表されたあとに開発が本格的に始まった会計ソフトです。
しかし国税庁の見解は不明瞭な部分も多いため、現段階で「freee」によるレート算出が税務署の基準と異なる可能性は大いにあります。
現在、仮想通貨は未成熟な業界であり、法整備も十分とは言えません。
今後、仮想通貨の利益がどんな形で処理されていくのか、投資家は注意してみておく必要があると思います。