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ビットコインなど仮想通貨暴落で大損したという人は世界中に大勢存在しますが、気になるのは、税制上の救済の有無についてです。仮想通貨に限った話ではありませんが、投資で儲けたら、必ず税金の申告をしなければなりません。
しかし、大きな損失を被ってしまい、税金を支払いたくても支払えないという事態になったときのことを考えると、助けてほしいと思いたくなります。そこで、仮想通貨で大損したときの税制上の救済はあるのかないのかについて、解説していきます。
仮想通貨暴落に伴う税制上の救済について
仮想通貨が暴落して税金が支払えなくなった場合、税制上の救済はあるのかないのかと言えば、答えは「なし」です。なぜ救済はないのか、考えられる理由をいくつか挙げて、解説していきます。
なお、仮想通貨の投資家が、1億円の資産を築いて億り人になったと仮定して説明いたします。
自己責任だから
1億円を儲けた後、待っているのは高額課税だと説明するまでもありませんが、問題はどのくらい課税されるかについてです。
具体的に説明すると、所得税45%(儲けた額が4,000万円以上の場合)と住民税10%(一律)、税率が55%となり、合計5500万円を納税しなければなりません。所得税には控除額があるのですが、その控除額を除いた額です。ちなみに、控除額は479万6千円となっています。
なぜ自己責任だと片付けるのかというと、使う金額が4500万円というデッドラインを超えるからです。4500万円でなにが買えるのかといえば、一戸建てのマイホームや自動車など、購入できるものが増えます。
しかし、税金のことを考えず、無計画にそのまま使って、高額課税が発生して税金を支払うことができなければ破産します。結局こうなったのは、自分のせいだということです。
さらに儲けを出そうとして大きな損失を被った
1億円を儲けたら、さらに10億円を増やしたい、100億円を増やしたいと思う投資家が多いのではないでしょうか。それは、人間の金銭欲に対して忠実に従っているからです。儲けたら満足するのではなく、さらに儲けるために投資してしまうのですね。
仮想通貨の種類は多いのですが、時価総額の上位に位置し、安いアルトコインに投資するのが無難でもあります。現在のビットコインは乱高下激しく、下落傾向にあるので迂闊に手が出せませんが、時価総額が上位で現在の価格が安いアルトコインであれば話は別です。
時価総額が上位だということは、将来性に大きな期待を持つことができるのですが、そのアルトコインが大暴落する可能性があることも否定できません。大暴落してしまったら、損切りして損失を最小限に抑えなければならないのですが、大きな損失を出してしまったという現実を受け止める他ありません。
この場合は自己責任なので、諦めるしかない…ということなのです。
仮想通貨暴落で破綻したあの投資家はどうなった?
ビットコイン暴落で多くの投資家が損失を被ってしまい、このことについてのニュースが連日報道されています。実際に損失を被った投資家はその後、一体どうなったかについても気になるところですよね。
どのような投資家が損失を被って現在に至るのか、そのケースをいくつか挙げてみましょう。なお、投資家のその後がわかっていても、その人の名前は掲載いたしませんので、ご理解くださいね。
意外とポジティブである
損失を被ってもポジティブでいられるのは、資金が余っているとか、損失の軽微などが挙げられます。次がある、税金が余裕で払えるなど、根拠があるからポジティブでいられるということです。
しかし、税金が払えないという事態になると、人はどのような行動を起こすのかわかりません。
自暴自棄になって物に八つ当たり
ビットコインの暴落で大きな損失を被った投資家は、突如としてストレスが異常なまでに高まります。その異常なストレスを発散するために、物に八つ当たりして壊すという衝動的な行動に出てしまうことがあります。
嫌なことがあったとき、人はどうしてもストレスがたまりますよね。それと同じことだということです。
自殺した投資家もいる
ビットコイン暴落で自殺した投資家が現実におり、ニュースでも話題になったことがあります。アメリカのニュースサイトでは、彼らに向けた自殺防止ホットラインを設置し、韓国でも仮想通貨の規制に乗り出すなど、世界中に影響を及ぼしています。
日本も例外ではなく、実際に投資に失敗して自殺者が出ているほどです。投資に失敗しただけでなぜ自殺してしまうのかというと、借金を返せなくなった、高い税金を支払えなくなった、大きな損失を被って絶望した、などが挙げられます。
共通するのは、支払能力を失ったというところです。
仮想通貨で損失を被ったときの税金対策を考える
仮想通貨が暴落して損失を被って税金の支払いはどうなるかと考えるより、損失を被ったときの税金対策を先に考えておかなければなりません。それは自分の身を守るために必要なことです。
先ほど、自殺などネガティブについての説明をしましたが、そうならないための対策をしなければならないということです。その対策は、自分にかかる所得税と住民税の金額を知ること、散財しないなどとなります。
簡単にまとめると、無駄遣いしなければ問題ない、さらに投資するなら余力資金内で、などです。
仮想通貨から日本円に換金して儲けたら雑所得扱いになりますが、換金しないかぎりは税金が発生しません。換金しないこと自体が税金対策になるのですが、価格が左右されるので、リスクはかなり高いです。
仮想通貨暴落で損失を被っても税制上の救済はなし!
税制上の救済は一切なく、すべて自己責任となります。もしこの救済が実施されたら、パチンコや競馬などのギャンブル類をやって損失を出した人も対象になり兼ねないということですよね。
残念ながら、もしもそうなってしまった時は….必ず税務署に相談するようにしましょう。