- 欧州のマイナーは安価な電力を求め、ノルウェーやスウェーデンなど北欧に移動。
- 背景にはビットコイン価格の低迷、エネルギー価格の高騰などがある。
- ロシアのウクライナ侵攻は、マイニング業界に事業停止や移動などの影響を与えている。
欧州のエネルギー危機、マイニング業界に大打撃か
エネルギー価格の高騰とビットコイン(BTC)価格の低迷を受け、一部のヨーロッパのビットコインマイナーは、安価な電源を求めてノルウェーやスウェーデンなどの北欧に移動している。
ヨーロッパの大部分の地域で、マイニングは経済的に意味をなさなくなってしまった。天然ガスの価格は8月、過去最高の1メガワット時当たり321ユーロを記録。1年前にはわずか27ユーロだった。一方、ビットコイン価格は今年になって約60%値下がりし、現在2万ドル付近で推移している。
このような状況下ではマイニング企業は、コストダウンのために電力の安い地域へ移動するか、事業を停止させるかといった厳しい選択をとらざるを得ない。
選ばれるのは、エネルギー価格が南部よりも10倍も安いといわれる、ノルウェーやスウェーデンの北部だという。
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スイスのマイニング企業コワ・エナジー(Cowa Energy)の創業者フィオレンゾ・マンガニエロ(Fiorenzo Manganiello)氏は、ノルウェー南部ではエネルギー価格高騰によりマイニングが「不可能」だと語った。現在のマクロ経済の状況は、ヨーロッパのマイニング業界にとって「大惨事」なのだ。
マイニング企業は多くの資金を投じて、エネルギーやマイニング機器の確保、それらを稼働させるための土地や施設の整備を行ってきた。
それを維持させるのにお金がかかる、マイニングしたところで高値でも売れないとなれば、事業を停止せざるを得ないのは当然の流れだろう。
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しかし、現状のエネルギー危機、地政学的要因や国内問題などから、「魔女狩り的なものが多く行われ」ており、マイニングはこれまで常に「目をつけられやすいターゲット」となってきたと、ルシノビッチ氏は指摘する。
今のところ、ノルウェーとスウェーデンの極寒の大地が、マイナーたちを手招きしている。
マイニングはその膨大な電力消費から、悪者扱いされてきた印象は確かにある。
マイナーにとって、今後の欧州のエネルギー政策は注視しておく必要があるだろう。
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<参考元>coindeskjapan