- 中国のデジタル人民元が、マカオのカジノの資金の流れを追跡する可能性がある。
- ジャンケット業界の違法な資金の流れを把握すれば、業界が衰退・消滅の可能性も。
- ただ、資金の流れがクリアになることで、観光客が増えると楽観視する声もある。
デジタル人民元で資金管理、マカオにとって善か悪か
中国政府が完全に追跡可能な中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入し、マネーロンダリングや違法取引を管理しようとすれば、マカオのギャンブル産業に脅威をもたらす可能性がある。
ロイターは22日の記事で、デジタル人民元が使われることで、観光客(中国本土からが70%を占める)による違法な資金の流れを抑制し、マカオのギャンブルビジネスに影響を与えるだろうと指摘している。
深センや蘇州、成都など、一部地域で運用がテストされているデジタル人民元。マカオにも導入される可能性があるという。
dai06
一部のカジノ業界幹部は、中国当局がデジタル通貨を使い、カジノへの取引制限を課す可能性を懸念している。ロイターによれば、顧客の中からはジャンケットに預けてある資金を引き出す動きも出ているという。
ジャンケット業界の投資家であるルイス・ラム氏は「これらの仲介業界がすぐに消滅・衰退する可能性が非常に高いだろう」と、ロイターにコメントしている。
カジノでVIPらの対応をしているジャンケット。彼らはコロナですでに大きなダメージを受けているが、デジタル人民元がとどめになる可能性もあるようだ。
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しかし、一方で楽観的な見方もある。デジタル人民元によってカジノへの資金の流れが完全に把握できるようになれば、より多くの中国本土からの観光客がマカオを訪れることができるようになるという予想だ。
まだまだどっちに転ぶかわからないマカオのカジノ界隈。
世界に先駆けて試験運用が続けられている、デジタル人民元が今後どこで使われるのか、どんな影響を与えるのか…。注目が集まりそうだ。
dai06
ソース元https://jp.cointelegraph.com/news/china-s-digital-yuan-could-be-a-fatal-blow-for-macau-casino-junkets