- 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が、デジタル決済について言及。
- 中央銀行デジタル通貨の導入やデジタル決済システムの開発で、欧州は遅れているとした。
- デジタルユーロについては、現金の役割を補完するものになると説明。
中国リードのデジタル決済、ECB総裁「ヨーロッパは遅れている」
「デジタルユーロ」によって、ユーロ圏はイノベーションの最先端を行くことが可能となる。しかし、決済の統合が進んでいないヨーロッパの現状は、海外の競合がリードを奪っていることを示している。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ドイツ連邦銀行主催のデジタル世界における銀行業務と決済をテーマにしたカンファレンスにて、同分野における「ヨーロッパは遅れている」と発言。
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ラガルド総裁によると、デジタルユーロは現金に取って代わるものではなく、現金を補完するものになる。ヨーロッパは全市民が現金をいつでも利用できるようにし続けるとラガルド総裁は語り、双方が組み合わさって、金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)をサポートし、消費者に選択肢を提供すると付け加えた。
ECBはデジタルユーロの導入を検討するタスクフォースを立ち上げ済みで、一般の人も使えるリテール型の中央銀行デジタル通貨(CBDC)で考えているという。実際、ラガルド総裁もこのことを認めており、「さまざまな人が使えるという、非常に革新的ものになる可能性がある」としている。
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「デジタルユーロが導入された場合には、これらのリスクを抑える方法で確実に設計しなければならない」
(中略)
「我々は、決済におけるイノベーションのリスクとメリットのバランスを取ることにおいて積極的な役割を果たす義務がある。そうすることで、通貨はヨーロッパの人々にとって役立つものであり続ける」
リブラへの反応からもわかるように、ヨーロッパは法定通貨に紐づく仮想通貨に対して、非常に慎重な姿勢を見せている。
リスクへの対策もそうだが、中央銀行の通貨の価値や金融政策を阻害しないためにも、慎重かつ限定的な形での導入を検討しているのかもしれない。
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ソース元https://www.coindeskjapan.com/79717/