目次
「MOAC」は2017年7月に公開され、イ―サリアムの100倍の処理速度を目指している仮想通貨です。
作成したマイクロチェーン内で、開発者が自由にコンセンサスアルゴリズムを選ぶことができ、多層的な構造で安定的なブロックチェーンサービスを提供しています。
「MOAC」の概要
通貨名/通貨単位 | MOAC/MOAC |
公開日 | 2017年7月 |
発行数 | 151,205,864MOAC |
ホワイトペーパー | 公式サイトからのみのアクセスになります |
公式サイト | http://moac.io/ |
公式ツイッター | ー |
購入可能取引所 | BITBOX,Huobi,CoinBene,Bit-Z,ForkDelta,TokenJar,Rfinex |
「MOAC」はイ―サリアムブロックチェーンを利用した仮想通貨です。
「MOAC」は「Mother Of All Chains(マザーオブオールチェインズ)」の略で、スケーラビリティ問題を改善したブロックチェーン構築を目指しています。
イ―サリアムプラットフォームの改善策として誕生した経緯があるため、通貨としてではなく特定のプラットフォームやサービスのみでの運用が想定されている仮想通貨です。
一方で現在情報が非常に少ない仮想通貨の一つでもあり、ここではできるだけ多くの情報をわかりやすくまとめて見たいと思います。
イ―サリアムのスケーラビリティ問題
スケーラビリティ問題とは、仮想通貨の流通量が増加することでブロックチェーンに負担がかかりトランザクション処理速度が低下する問題です。
ブロックチェーンには1ブロックごとに処理できるデータサイズが決まっているため、あまりに大きいデータだと、情報そのものを無かったものとして処理してしまう可能性があります。
ビットコインの流通量が増えたことで注目されたスケーラビリティ問題ですが、ブロックチェーンを使っているサービスであればどんなものでも起こりうる可能性があるため、現在は仮想通貨を選ぶうえでの重要な基準になりつつあります。
イ―サリアム独自のスケーラビリティ問題
イ―サリアムの場合は、イ―サリアムブロックチェーンを利用した「Dapp(分散型アプリケーション)」の数が増えたことで、全体の処理速度が低下するという問題が起こりつつあります。
イ―サリアムベースの「Dapp」は2018年8月時点で1300近い数が登場しており、それらが同じブロックチェーン内で同時に動いているため、以前からスケーラビリティ問題に対する懸念の声は多かったです。
MOACはこれらイ―サリアムブロックチェーンのスケーラビリティ問題の解決策として提案された仮想通貨です。
「MOAC」の特徴
多層構造で処理性能の低下を軽減
「MOAC」はデータ処理を行う5つの層で成り立っており、役割分担をしてデータ処理を行うことで処理性能を向上させています。
第一階層 API
第二階層 マイクロチェーン/スマートコントラクト
第三階層 イベントハンドリング
第四階層 グローバルマザーチェーン(メインチェーン)
第五階層 Peer 2 Peer(P2P)
「MOAC」のメインチェーンはマザーチェーンと呼ばれており、各階層で入力され処理されたデータを管理し、最終的に統合する役割を持っています。
契約を自動化するスマートコントラクトは「MOAC」のサイドチェーンにあたるマイクロチェーンに実装されており、マザーチェ―ンの負担を減らしています。
開発者は誰でも自由にマイクロチェーンを作成することができ、その上にDappを作ればマザーチェーンに大きな負担をかけずにたくさんの処理を行うことが可能になっています。
シャーディングとクロスチェーン
「MOAC」は処理性能を安定させつつ、非中央集権的に通貨のやりとりをするためにシャーディングやクロスチェーンという技術を導入しています。
ブロックチェーンシャーディング
シャーディングは、ブロックチェーンの処理性能向上に効果があると期待されている技術です。
ブロックチェーンに入力される情報を分割して、マイナーがそれらを並列的に処理することで通常の処理速度よりもずっと早くデータを処理することができます。
公式によると、このシャーディングによって「MOAC」をイ―サリアムの処理速度の100倍にすることを目指しているとしています。
クロスチェーン
クロスチェーンは別のブロックチェーンにアクセスし、取引所を介すことなく仮想通貨のやり取りを行える技術です。
専用のウォレットさえあれば別のブロックチェーン上に構築された仮想通貨同士を直接交換することができ、分散型取引所(DEX)としての役割も期待できます。
コンセンサスアルゴリズムを選ぶことができる
「MOAC」では、開発者がコンセンサスアルゴリズムを自由に選択できるようにしています。
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーンに書きこまれる情報をどのように承認するかを定めた規則であり、そのシステムのことです。
開発者は用途にあわせて自由にコンセンサスアルゴリズムを選ぶことで、より承認処理を迅速かつ効率的にすることができます。
「MOAC」まとめ
今回はイ―サリアムのスケーラビリティ問題の解決策として登場した仮想通貨「MOAC」をご紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
私も当サイトでDapp関連の記事を頻繁に書いていて「最近すごく増えてきたなぁ…」と思うことが多々ありますし、今後もその特徴を生かした様々なDappが登場するでしょう。
「Dapp構築と言えばイ―サリアム」というイメージもありますし「MOAC」のプラットフォームとしての需要はまだまだ高まりそうだと感じます。