- イーサリアムはマージとシャンハイの2つの大きなアップデートを経験している。
- イーサリアムはこのアップデートで損失をもたらしたと、JPモルガンが指摘した。
- 具体的にはネットワークが中央集権的になり、ステーキングの利回りが低下したという。
JPモルガン報告書「イーサリアムは中央集権的になった」
JPモルガン(JPMorgan)は10月5日の調査報告で、「Merge(マージ)」と「シャンハイ」アップグレード以来、イーサリアム(ETH)のステーキングが増加しており、ネットワークがより中央集権的になって、全体的なステーキングの利回りが低下したため、イーサリアムに損失をもたらしたと述べた。
世界の金融に影響力を持つJPモルガン。その力は仮想通貨業界にも及んでおり、イーサリアムについても率直な意見を投げかける。
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「暗号資産(仮想通貨)コミュニティの多くは、中央集権的な取引所に関連する中央集権的なリキッド・ステーキング・プラットフォームと比較して、分散型のリキッド・ステーキング・プラットフォームであるリド(Lido)がより良い代替手段であると見ていた」とニコラス・パニギスツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストは書いている。
イーサリアムの数を抑制するべく増加しているノードオペレーターは、障害の発生ポイントになる可能性、攻撃の対象となる可能性、コミュニティの利益を犠牲にし、利益を寡占させる可能性があるとも指摘した。
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リキッド・ステーキングの増加によるさらなるリスクは、再担保化だと同行は述べた。これは、流動性トークンが同時に多数の分散型金融(DeFi)プロトコルで担保として再利用されることだ。DeFiとは、ブロックチェーン上で行われる融資、取引、その他の金融活動を指す。
「再担保は、その資産の価値が急激に下落したり、悪意のある攻撃やプロトコルのエラーによってハッキングされたりした場合に、清算の連鎖を引き起こす可能性がある」と報告書は述べている。
業界の流れに対抗、あるいはより良い流れをつくるべく、改革を続けるイーサリアム。
シャンハイのアップグレードによって、ステーキングの総利回りは7.3%から5.5%へと低下したという。
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<参考元>coindeskjapan