- 米中間の経済対立は、データの領域にも広がっている。
- AIの強化に用いられるビッグデータの収集が激化。
- 中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、そのカギとなる。
CBDCで個人情報収集、デジタル人民元布石か
ビックデータはAI(人工知能)の能力を高めるカギであり、AIは国の競争力を決める。したがって、データをどれだけ集められるかが国の将来を決める。中国がデータの国外持ち出しに神経をとがらせるのは当然のことだ。
とりわけデータの中でもマネーの送金に関わるデータは極めて強力だ。米中間でもマネーのデータをめぐる攻防になるだろう。
深刻化した米中間の経済対立はデータの分野にも波及。中国はデータの国外持ち出しを規制する「データ安全法」を6月に成立させるだけでなく、2017年施行の「サイバーセキュリティ法」、審議中の「個人情報保護法」などを通じて、情報の管理体制をさらに強固なものにしようとしている。
そしてそれをAIに用いることで国力の増加を目指す。
dai06
中国は、CBDC(中央銀行デジタル通貨)であるデジタル人民元の準備を積極的に進めている。この目的としてはさまざまなことが考えられるが、最も重要な目的は国民一人一人に関する詳細なデータを入手することにあるのではないかと思われる。
これまでは決済サービスなどの企業がデータを持っていたが、CBDCであれば国家のもとにデータを集約できる。
アメリカはこうした動きに消極的であったが、中国の積極的な動きを黙ってみていることは難しいのではないだろうか。
dai06
もしアメリカもCBDCに乗り出すということになれば、米中間でマネーをめぐっても戦いが始まることになる。マネーから得られるデータをめぐって競争と対立が起きるだろう。
さまざまな思惑渦巻くAI、そしてCBDC。
今まで思ってもいなかったような対立・問題が表面化してくるのは、もう間もなくのことなのかもしれない。
dai06
ソース元https://diamond.jp/articles/-/275463