- オフ・ザ・チェーン・キャピタルは、クジラと呼ばれる大口投資家の撤退を支援するファンド。
- 大口投資家が離婚などで急遽資金が必要になった時、通常50%以上の割引価格で資産を買い取る。
- 同ファンドは、マウントゴックス関連の資産も買い取り、順当に利益を得ているという。
訳あり顧客も資産も対応可能、年40~60%の利益得るファンド
仮想通貨の世界で「鯨」と呼ばれるような大口投資家がひっそりと撤退しようとするとき、支援をあおぐのがブライアン・エステス氏だ。
エステス氏(52)が率いる約4000万ドル(約42億円)規模のファンド、オフ・ザ・チェーン・キャピタルは離婚など予想外の事態のために手元不如意となった人からデジタル資産を買い入れることに特化している。
大口投資家の離婚ともなれば、多額の財産分与に迫られることは容易に想像がつく。
そうした”訳あり”による急な売却に迫られた時、頼りになるのがオフ・ザ・チェーン・キャピタルだという。
dai06
「誰も釣りをしないようなところで獲物を探している。ブロックチェーン資産を、事情のある売り手から割安価格で買い取っている」とエステス氏は説明する。
仮想通貨価格は再び急騰しており、分散型金融(DeFi)として知られる分野はバブル並みのブームになっているが、売りたい人は大勢いる。ベンチャーファンドやプロジェクト、新興企業に投資した資金は現金化が難しい。
誰も釣りをしないような、まさにブルーオーシャンな市場でたたかうのがこのファンドである。
「売りたくても訳あって売れない、でも資金が必要…」、こんな状況に陥った投資家たちの最後の砦となっている。
エステス氏によればあのマウントゴックス関連の資産も買取可能だという。
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「ビットコインが値上がりしなくてもこうしたプレミアムから年40-60%の利益を上げている」とエステス氏は言う。
業界データ会社のクリプトファンドリサーチによれば、ビットコインに投資する普通の仮想通貨ファンドの7月末までの年初来リターンは57.2%だが、オフ・ザ・チェーンは93%だとエステス氏は話している。
いつの間にか消えていくクジラたちの裏には、エステス氏らのファンドがいるのかもしれない。
オフ・ザ・チェーン・キャピタルは、これからも人知れず訳ありの顧客と資産に対応していく。
dai06
ソース元https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-09-28/QHBJ16T0G1L201