・ロシア連邦財務省が仮想通貨売買の規制法案を公開
・通貨の取引だけでなく、ICO、マイニングなどにも踏み込んだ法案
・最終的な法案は今年の7月1日までに公開予定
ロシア連邦の財務省が、仮想通貨全般の規制案「デジタル資産規制法」の草稿を公開しました。
具体的な規制内容
まずは現在公開されている規制内容を見ていきましょう。
・仮想通貨の取引 新法案で認定された取引業者を介したもののみ許可。
・ICO 法人、私的事業者を全面的に許可。ただし立ち上げの際に契約の詳細が記載された法的文書が必要。
・その他 ライセンスを持たない投資家が個別にICO投資を行う場合、上限は5ルーブル(10万円)まで。
他の国の仮想通貨事情を見ていると、これらの規制が今まで行われていなかったことの方が意外です。
規制内容の発表が遅れた理由は、ロシアがもともと仮想通貨という存在自体をあまり肯定的に見ていなかったことも影響しているでしょう。
ここ数カ月だけでも仮想通貨業界はめまぐるしい変化を繰り返しています。
最終的な法案の公開が半年も先送りになっているのは、そういった変化に今回公開した規制法案が対応出来るかどうかを見定めるするためなのでしょうか。
ロシアは仮想通貨による違法行為を警戒し始めた
仮想通貨に合法的立場を与えることで、詐欺行為のリスクを減らすのに加え税収を増加させることを見込んでいるようだ。仮想通貨売買を禁じることはブラックマーケットの台頭を助長するだけだからだ。
COINTELEGRAPHの記事を見てみると、ロシアの財務省は仮想通貨による詐欺や違法取引を非常に懸念しているのがわかります。
ロシアは昨年12月29日、過激派テロ組織「イスラム国」から爆破テロを受けたのも記憶に新しいですよね。
仮想通貨はテロリストの資金調達方法や違法取引に使われているケースも知られており、今回の規制公開もテロ対策の一環なのかもしれません。
良くも悪くもロシア仮想通貨業界には大きな一歩
今回の規制発表は、個人的にロシアの仮想通貨業界にとって大きな一歩だと思います。
以前「ロシア政府初の仮想通貨cryptoruble。2019年中頃に開始か?」という記事で当ブログが紹介したように、ロシアの仮想通貨業界は他の国に比べてやや遅れています。
今回の規制公開によって、今後ロシア国内で個人的な仮想通貨取引が不可能になったのは事実です。
しかし公式にロシアが仮想通貨を合法化していく枠組みを作ったという意味では、ロシアの投資家や仮想通貨業界にとって大きな前進と言えるでしょう。