- ケニア内務省は、同地におけるワールドコインプロジェクトを一時停止させた。
- 同国は公共の安全に対する潜在的なリスクと、利用時に教唆に近い状態が起こると懸念。
- 内相はワールドコインの活動にかかわる者に、処分がある可能性を示唆した。
活動にかかわれば処分も?ケニアがワールドコインに懸念示す
ケニア内務省が、暗号資産(仮想通貨)プロジェクトのワールドコイン(Worldcoin)の現地での活動を一時停止したと8月2日発表した。政府機関が公共の安全に対する潜在的なリスクを評価する期間を設けるためだ。
ChatGPTで一躍有名になったOpenAI、そのCEOであるサム・アルトマン氏が手がける一大プロジェクト。
AIが当たり前になる社会における人間とAIの区別や個人の情報管理、ベーシックインカムなど、さまざまな構想の根幹として期待されている計画だ。
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キスレ・キンディキ(Kithure Kindiki)内相は声明の中で、「関連する安全保障、金融サービス、データ保護機関は、前述の活動の信憑性と合法性を確立するため、照会と調査を開始した」と述べている。
ケニア通信庁とデータ保護委員会事務局によると、ワールドコインの事業に関する予備的な検証の結果、金銭的な懸賞と引き換えに消費者の同意を得ることは「教唆」に近いという懸念が浮上したという。
虹彩をスキャンすることでIDを登録できるワールドコインプロジェクト。
その物珍しさと仮想通貨「Worldcoin(WLD)」に惹きつけられ、登録を急ぐユーザーは確かにいるかもしれない。
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キンディキ内相は、政府はワールドコインの活動に懸念を抱いており、政府機関はワールドコインが収集したデータをどのように使用するつもりなのかを調査すると述べた。またワールドコインの活動に関与する者に対しては、詳細は語らないが、処分が下されるだろうと述べた。
明言を避けたが、ケニア政府の動きからは相当な懸念を示していることがうかがえる。現在は一時停止とのことだが、今後の調査次第では完全な禁止もあり得るのかもしれない。
一方、現地の報道によれば、すでに35万人以上がワールドコインへの登録を済ませ、約7000ケニアシリング(49ドル:約7,040円)の通貨を受け取ったという。
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<参考元>あたらしい経済