- 半導体大手のエヌビディアが、マイニング効率を約50%半減させるGPUを発表。
- 同社のGPUは仮想通貨のマイニングに転用され、ゲーマーに供給されにくくなっていた。
- エヌビディアはマイニング専用のプロセッサーも発表し、供給の不平等をなくすとみられる。
マイナー用とゲーマー用区別、半導体大手エヌビディアの対策
同社の新しいGPU「GeForce RTX 3060」用のソフトウェアドライバーは、「イーサリアムマイニングのアルゴリズム固有の属性を検知してハッシュレートを制限し、暗号資産マイニング効率を約50%低減させるように設計されている」と同社グローバルGeForceマーケティング担当バイスプレジデント、マット・ウエブリング(Matt Wuebbling)氏はブログで述べた。
仮想通貨マイニングも使われるようになっていたエヌビディアのGPU。本来の供給されるべきゲーマーの手に届かないような事態が発生しており、大きな問題となっていた。
効率が低減されるようになったことで、それをマイナーが好んで使うことはなくなるものとみられる。
dai06
「ユーザーは常に(当社GPUの)新しい利用方法を模索している。暗号資産マイニングもそのひとつ」だが、イーサリアムマイナーの強い需要は、GPUの供給不足を招き、ゲーマーの間には不満が生まれている。
発端は、2020年秋に発表された同社のGPU「RTX 30」シリーズが、暗号資産マイニング施設で目撃されたことだった。
SNSには、このハイスペックのGPUが搭載されたPCがずらりとならぶ様子が投稿されており、ゲーマーからは不満の声も。
エヌビディアはこうした経緯も踏まえ、今回の対応に踏み切ったのだろう。
dai06
エヌビディアはイーサリアムマイナーにも製品を提供するため、グラフィックス(画面描画)を行わない暗号資産マイニング専用プロセッサー「CMP(Cryptocurrency Mining Processor)」を同時に発表した。CMPの販売開始で、ゲーマー向けGPUの供給に影響を与えることはなくなるとしている。
同社のGPU売上については、その多くはゲーマーではなく、暗号資産マイナーによるものとする見方もある。
ゲーマーの不満を解決しようと動く一方で、マイナーたちにも配慮したエヌビディア。
両者の間での立ち回りが、同社の業績に大きな影響を与えそうだ。
dai06
ソース元https://www.coindeskjapan.com/100321/