- 2017年12月につくられたベネズエラの仮想通貨「ペトロ」に、ベネズエラの通貨「ボリバル・ソベラノ」が連動することが決まった。
- ベネズエラでは急激なインフレに対応すべくデノミネーションを実施。しかし依然として混乱状態にあり、経済危機は加速するものと思われる。
- そもそもペトロの導入は外貨獲得による経済危機の打破を目的としていたが、米国はこのペトロの取引を禁止。ペトロへの風当たりは強く、思ったようには機能していない。
ペトロが招くさらなる混乱…!加速するベネズエラの経済危機
経済危機が深刻化する南米のベネズエラで、通貨単位を10万分の1に切り下げるデノミネーション(デノミ)の実施に伴う新通貨の導入が21日、本格的に始まった。新しい単位の「ボリバル・ソベラノ」に対応するため、多くの企業・商店が業務を停止し、労働者は仕事に出かけなかった。
これまで使われていた法定通貨は「ボリバル・フエルテ」だ。デノミともなればその混乱の被害たるや相当なものが予想される。経済危機は危険なラインを超えてしまった…。
ちなみに2017年末には犯罪組織が高額の100ボリバル札を大量に持っているとしてこれを廃止。このときには紙幣の最高額は20000ボリバル札となり、コインの最高額が100ボリバルになっている。
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通貨単位が5桁切り下げされたことで、先月には250万ボリバル強だった首都カラカスでのコーヒー1杯の値段は、25ボリバルに変わる。
変動の度合いがハンパない…。
ATMから引き出せる最高額は10ボリバルだそうで、ベネズエラ国民は満足にお金を使える状況にない。
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マドゥーロ大統領はさらに、ベネズエラの埋蔵原油が裏づけになっていると政府が説明する仮想通貨「ペトロ」に、通貨ボリバルを連動させると表明している。
しかし、米国は自国民にペトロの取引を禁止しているほか、仮想通貨のウェブサイト「ICOindex.com」はペトロを「詐欺」だと呼んでいる。
エコノミストのルイス・ビセンテ・レオン氏はAFP通信の取材に対し、「ボリバルをペトロに連動させるのは、まったく意味がない」と語った。
解決の糸口が見えないベネズエラの経済危機。もはや自力での解決は難しいのではないだろうか?
2018年2月にはペトロを貿易の支払手段に盛り込むことを発表していたが、どうやらその作戦も上手くはいかなかったようだ。そもそもペトロを発行した時点でベネズエラは苦しい状況にあった。マドゥーロ大統領や他国の動きに注視したい。
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ソース元https://www.bbc.com/japanese/45267224