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匿名性通貨であるVergeの特徴的な技術であるレイス・プロトコルについて解説したいと思います。このプロトコルのおかげでVergeは他の匿名性通貨と使い勝手の部分で一線を画すことができていると思うので是非この記事を読んでVergeの特徴について理解を深めていただければと思います。
ぱらと
レイス・プロトコルの解説記事原文(英語)
レイス・プロトコルが機能する場所は台帳
レイス・プロトコルという単語だけ聞いても何がどう機能するのかイメージしづらいと思いますが、レイス・プロトコルはVergeのブロックチェーンの台帳(Ledger)で機能します。
台帳はブロックチェーン上のトランザクションの情報が全て記録されたデータベースを指します。記録される情報はブロックチェーンの性質により取引情報だったり通信記録だったり様々です。
Bitcoinをはじめ仮想通貨について少しでも調べたことがある方ならBitcoinが公開型の台帳であることはご存知かと思います。
また、ZcashやMoneroといった仮想通貨のブロックチェーンは非公開型(プライベート)の台帳であることもご存知かと思います。
元々ブロックチェーンというのは他のブロックチェーンとは交わらず、公開型と非公開型のブロックチェーンは同時に同じブロックチェーンとして取り扱うことはできません。
そのため、ブロックチェーン技術は情報の改ざんに強いという特性があります。
ぱらと
レイス・プロトコルは2つのタイプの台帳を切り替えられる
レイス・プロトコルを利用することで先ほど説明に挙げた2タイプの台帳をシームレスに切り替えることが可能です。
公開型台帳⇔非公開型台帳
切り替えが自由自在
公開型/非公開型それぞれの台帳はどのような場面で利用されるのか具体的な例を挙げると、
①企業と顧客間の取引のように透明性が要求される場合は通常の公開型の台帳のまま取引を行います。取引情報は誰でも確認できるので不正がないかのチェックが容易です。
②企業間の取引のように機密情報が含まれていて取引情報を公開したくない場合はレイス・プロトコルを発動して非公開型の台帳を選択し取引を行います。これによって取引情報をブロックチェーンエクスプローラーに残さないように対応することができます。
ぱらと
台帳のタイプを切り替えられることの何がすごいのか?
台帳のタイプが自在に切り替えられることはすごいことなのか?
実はすごいことで、本来タイプの違うブロックチェーンは交わることはなく別々のもの、ということは先の説明で理解されているかと思いますが、他の仮想通貨で2種類の台帳を利用しようとすると2つの通貨を別々に運用する必要がありました。
例えば、公開型台帳ならBitcoin、非公開型台帳ならMonero、といった感じになります。
それぞれ根本的な技術は同じとはいえ異なる仮想通貨ですのでそれぞれの運用方法があります。
システムユーザー側はそれぞれの仮想通貨のシステムに合わせてメンテナンスや運用を進める必要があるので労力やコストが大きくかかることになってしまいます。
しかし、Vergeのブロックチェーンならレイス・プロトコルによって2種類の台帳を1つのブロックチェーンで利用できるので低コストで2種類の台帳を利用できるということになります。
しかも、切り替えはウォレット上でボタン1つで可能なので運用も簡単になります。
レイス・プロトコルに加えてTorのおかげで匿名性高
Vergeのブロックチェーンは公開型/非公開型の台帳どちらでもTorという技術のおかげで接続したIPアドレスを分かりづらくしています。
そのため、レイス・プロトコルを発動させると取引情報を無理やりトレースすることは非常に困難で、他の匿名性通貨に比べても匿名性は高くなるといわれています。
匿名性の高い仮想通貨はそれだけで企業間の商業取引等で機密情報の取り扱いなどを得意とすることができるので利用価値がグッと高まります。
Vergeブロックチェーンの将来像
レイス・プロトコルのおかげで台帳の利便性が向上することがわかったVergeのブロックチェーンですが、他の特徴としてスマートコントラクトの実装、高速取引(30秒)、安い手数料、アトミックスワップによる異なる通貨同士の交換などがあります。
レイス・プロトコル+Torと上記の特徴を合わせることでVergeは仮想通貨の中でも最高のプライバシーを確保した通貨であるといえるかもしれません。
通貨としての知名度はまだまだ低いので具体的なビジネスレベルでの利用はこれからですが、利用が始まればすぐに広まる可能性が大きいのでVergeの躍進には注目しておいて損はないと思います。
ぱらと
ではでは