- 2022年、仮想通貨業界へのハッキングなどの攻撃は過去最悪のものとなった。
- チェイナリシスの調査によれば、その被害総額は約3990億円にもなるという。
- 攻撃を防ぐ強固なセキュリティ、異常を即座に検知・対処する監視体制が求められる。
2022年は過去最悪のハッキング被害、業界の対処や如何に
ブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)によると、2022年はハッキングや攻撃の被害額で史上最悪の年になりそうだ。最新情報では、約30億ドル(約3990億円)もの資産が盗まれた。
なかでも、Roninのハッキングは特筆すべきものだ。北朝鮮と関連のあるラザルス・グループ(Lazarus Group)h3月、人気NFTゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」のサイドチェーン「Ronin Network」から、約6億2000万ドル相当のイーサリアム(ETH)とUSDコイン(USDC)を盗んだ。
業界に相次ぐハッカーからの攻撃。しかもこの件では、被害発覚までに1週間という時間を要したほか、盗まれた仮想通貨の大部分が回収できていないという課題が残された。
市場価格が低迷しているなか、業界はこうした問題にも実直に対処し、信頼を回復していく必要があるだろう。
dai06
現状に甘んじる必要はない。暗号資産プラットフォームやプロトコルが防御策を拡大すれば、2023年には攻撃の数を減少させるか、少なくともその被害を抑えることができる。防御策にはさまざまな形態があるが、すべてに共通することは監視体制の改善と、攻撃が発生した場合に備える対応システムだ。
いたちごっこが続いている印象もある業界だが、先にできることは山ほどある。
企業だけでなくFBIなどの米当局も対応を強化するなど、ハッカーへの強い対抗姿勢を示しつつある。
dai06
セキュリティ第一の考え方が広く伝われば、攻撃を思い留まらせる抑止効果も期待できる。コミュニティ主導のセキュリティ監視の取り組みは、監視にインセンティブを与え、誰でもがブロックチェーン上のプロトコルの健全性をチェックできるようにするため、エコシステム全体の安全性の確保を促進する。
攻撃をしてくる側も追跡・検挙されるリスクは重々承知だろう。
しかし、業界の信頼を担保していくためにも、まずは攻撃をさせない努力が必要だ。
dai06
<参考元>coindeskjapan