- IMFがエルサルバドルに、ビットコインを法定通貨化の廃止を要求。
- エルサルバドルはBTCを、2021年9月から米ドルと併用して運用開始していた。
- 同国は国内総生産の4分の1を占める、海外からの送金手数料を下げるねらいがあった。
「偶発的な債務生む可能性も」、IMFがエルサルバドルに苦言
国際通貨基金(IMF)は24日、エルサルバドルと協議を行い、ビットコイン(BTC)を法定通貨としていることについて再び懸念を表明した。ビットコインの金融安定性などに対するリスクを挙げ、法定通貨としての地位を取り消すよう促している。
ビットコインを世界で初めて法定通貨化した国として、大いに注目されていたエルサルバドル。
国内へのビットコインATM大量設置、大統領がビットコインを買うたびにSNSで発信をするなど、斬新な動きを続けてきた。が、その動きに疑問を呈する声も多く、遂にIMF動いた。
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IMFがエルサルバドルとの協議後に発表した要旨には、次のように書かれていた。
2021年9月以降、エルサルバドル政府はビットコインを法定通貨として採用した。しかし、暗号資産(仮想通貨)を法定通貨として採用することは、金融や市場の健全性、金融の安定性、消費者保護に対する大きなリスクを伴うものだ。また、偶発的な債務を生み出す可能性もある。
IMFは公的債務の拡大を指摘しており、ビットコインを法定通貨として使えば、その債務の回復を妨げると指摘。法定通貨化廃止を要求するという大きな動きに出た。
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IMFは金融包摂を促進することの重要性には同意している。この点は、エルサルバドルが導入しているデジタルウォレット「Chivo(チボ)」などの決済手段が、その役割を果たす可能性があるとした。
しかしその上で、チボと、ビットコインの決済システムに対する厳格な規制と監督の必要性や、ビットコインのリスクを強調。ビットコイン法を修正して、ビットコインの法定通貨としての地位を取り除くように当局に促した。
エルサルバドルはハード面、ソフト面両方からビットコインの法定通貨化を進めるため施策を打ってきた。しかしながら、国民からも賛否両論あり、上手くいっている部分と上手くいっていない部分があることも確かだ。
ちなみにCrpto.comなどは2022年末に、仮想通貨利用者が10億人に到達すると予測。その条件には、ビットコインを法定通貨化する国が、エルサルバドル以外にも出てくることを挙げていたが果たして…。
dai06
<参考元>COINPOST