- ドイツやフランスなどの欧州5カ国が、ステーブルコインの規制をEUへ要請。
- イタリア、スペイン、オランダもこれに続き、整備が整うまでEU全体で利用禁止を求める。
- 5カ国らは消費者保護のほか、金融政策の主権を保全する必要性を訴えている。
仏経済・財務相「中央銀行のみが通貨発行許されるべき」
独仏を含む欧州5カ国の財務相は11日、「ステーブルコイン」などの暗号資産(仮想通貨)を巡る厳格な規制を策定するよう、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会に要請する共同声明を発表した。消費者を保護すると同時に、金融政策の主権を保全する必要があるとしている。
ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダの5カ国は、規制と監督面の整備が整うまで、EU圏内でのステーブルコインの利用禁止を要請。
リブラをはじめとしたステーブルコインには、再び逆風がふきつけようとしている。
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ドイツのショルツ財務相は共同記者会見で「金融市場の安定を維持すると同時に、現在政府が果たす役割は引き続き政府の役割とすることを確実にするのがわれわれの責務だという考えで一致した」とし、規制が順守されなかった場合は禁止も厭わない厳しい対応が必要になると述べた。
法定通貨や国の経済政策への影響が危惧されているステーブルコイン。
発表されて間もなかったリブラの時と同じく、現在も警戒を解いてはいない。
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フランスのルメール経済・財務相は「仮想通貨がテロリスト活動や資金洗浄に悪用されることがないよう、欧州委が極めて厳しく、かつ極めて明確な規制を打ち出すことを望んでいる」とし、「中央銀行のみが通貨の発行を許されるべきだ。リブラを含むいかなる仮想通貨プロジェクトでこれが弱体化されることがあってはならない」と述べた。
仮想通貨は世界の金融をボーダレスにしているが、それによって別の問題を招いていることも事実だ。
フランスのルメール経済・財務相の発言のように、仮想通貨に厳しい見方を持つEUの国は他にもいる。それが法定通貨に影響を与える可能性がある、ステーブルコインであればなおさらだ。
ステーブルコインが本格的に導入されるには、まだまだいくつもの壁を超える必要がありそうだ。
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ソース元https://jp.reuters.com/article/eu-economy-cryptoassets-idJPKBN2622AO