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「Nano(ナノ)」は、様々な仮想通貨が抱えるスケーラビリティ問題の解決するために誕生した仮想通貨です。
DAGと呼ばれるブロックチェーントは違う技術を用いて開発されており、公開当初から注目されていました。
「Nano(ナノ)」の概要
通貨名/通貨単位 | Nano/NANO |
公開日 | 2017年 |
発行数 | 133,248,290 NANO |
ホワイトペーパー | https://nano.org/en/whitepaper |
公式サイト | http://nano.org/en |
公式ツイッター | https://twitter.com/nanocurrency |
購入可能取引所 | Binance |
「Nano(ナノ)」は多くの仮想通貨が抱えるスケーラビリティ問題の解決を目指す仮想通貨プラットフォームです。
もともとは「RaiBlocks」という名前で公開されていましたが、リブランディングされ現在の名称に変更されました。
公開当初から取引量は多く、リブライディングされ初めてからは仮想通貨ランキングでも50圏内には入っています。
世界最大級の仮想通貨取引所Binanxe(バイナンス)への上場など好材料となるニュースがたびたび発表されていたからでしょう。
現在はブームが落ち着いてからは市場の停滞とともに価格を落としましたが、今でも多くの投資家から期待されている仮想通貨プロジェクトです。
「Nano(ナノ)」の特徴
スケーラビリティ対策ともなる「DAG技術」
スケーラビリティ問題とは、データの取引量が増えてしまったことでブロックチェーンの処理が間に合わず、取引が正常に行われなかったり、大きく遅延してしまうという問題です。
ビットコインの取引量が爆発的に増える少し前から投資家の間でも注目を浴びるようになり、現在では仮想通貨を選ぶうえでの重要な要素です。
「Nano」はブロックチェーンではなく、「Directed acyclic graph(DAG/有効非巡回グラフ)」という網目状のデータベースに取引履歴を格納しています。
これはブロックチェーンのように一本のチェーンではなく、投資アドレスやアカウントごとに保有者の書き込みを行うアカウントチェーンと呼ばれるものによって構築されています。
DAG技術を使って取引処理を行えば、送金を行う際に作成したデータを使って、受信するアカウントデータの承認情報と連動することができます。
これにより受け取り側が承認処理を行わなければ送金が完了せず、非常に安全でなおかつ確実性があります。
マイニングしなくても維持ができるネットワーク
「Nano」はマイニングによって報酬を支払わなくてもネットワークを維持することができる珍しい仮想通貨です。
そのため「Nano」はすでに発行上限全てが発行されています。
取引を行う際の承認処理は取引を実際に行う人がそれぞれ行うため、全体の処理に負担を与えることもありません。
これは取引処理を安定化させるためではなく、マイニングによって全体の資産が一か所に集中することを防いでもいます。
取引スピードが早く手数料が無料
「Nano」最大の売りはDAG技術やマイニングが不要なために、手数料が無料であり取引スピードが早いということです。
これは知識のない投資家へ向けてのわかりやすいアピールになりますし、ブロックチェーンとは別の仕組みが確立するための重要なポイントだと思います。
ハッキングされたらしいけど平気なの?
最後に「Nano」のハッキング事件について取り上げていきたいと思います。
2018年2月11日、イタリアの仮想通貨取引所BitGrilに保管されていた約200億円相当の「Nano」がハッキングによって盗まれてしまうという事件が発生しました。
コインチェックのNEM流出騒動から日も浅く、覚えている方も多いのではないでしょうか?
この200億円という数字は、当時の「Nano」の約10%にもあたる大きなもので、この事件によってコイン自体の評価も非常に下がった印象を受けます。
コインチェックのNEMにも言えることですが、これは仮想通貨そのものの安全性が低いということでは決してありません。
管理する仮想通貨取引所のセキュリティの問題であり、「Nano」自体の評価が落ちる理由にはなりえないと筆者は考えています。
しかしこういった事件が複数発生したことで、業界全体の意識が高まっていることは間違いなく、今後の業界の発展にに期待したいと思います。