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競争激化で方針転換、米国もデジタルドルに前向きか

この記事は、dai06さんから寄稿頂きました。
このニュースのPOINT!!
  1. 各国で中央銀行デジタル通貨(CBDC)開発に向けた動きが加速している。
  2. アメリカも従来の路線を切り替え、デジタルドル開発を急ぐ可能性がある。
  3. 背景には基軸通貨として、ドルの地位を維持したいねらいがある。

ドルこそ基軸通貨、アメリカがCBDC開発へ早足

5月20日、米国の中央銀行である連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、今夏に中央銀行が発行し、管理するデジタル通貨〔中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)〕に関する報告書を公表すると表明した。過去のパウエル議長の発言と比較すると、“デジタルドル”の発行に向けFRBの取り組みは変化している可能性がある。

パウエル議長は2021年3月に「アメリカが世界で最も早くCBDCを投入する必要はない」と述べていた。が、この方針は切り替える必要が出てきたのかもしれない。

この発表と併行して、決済、金融包摂、データのプライバシー、情報セキュリティなどに関するパブリックコメントも募集するという。

dai06

 また、FRBにとってデジタルドルの研究は、“基軸通貨”としてのドルの地位の維持にも重要と考えられる。どの通貨が基軸通貨に選ばれるかは、世界全体での人気投票による。

米ドルはこれまで世界の基軸通貨として、多くの国家・企業間での取引に用いられてきた。

しかし、中国のデジタル人民元はデジタルドルに先駆けて開発が進んでおり、アメリカはこれに危機感を持っているとされている。

dai06

今後、FRBはより利便性が高く、信頼されるドルを目指してCBDC研究をより重視する可能性がある。わが国でも、日本銀行を中心に中央銀行デジタル通貨や、大手銀行などが取り組む価値が一定の民間デジタル通貨の実証実験を増やし、得られた知見をより積極的に内外に発信されるとよい。

日本もこうしたCBDC開発競争に乗り遅れるわけにはいかないだろう。

世界の多くの国々で取り組みが始まっている以上、それをいつ導入するかはさておいて、技術的・法的な準備が必要だ。

dai06


ソース元https://president.jp/articles/-/46466